こどもの病気|石和こどもクリニック|大分市羽屋の小児科

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こどもの病気
Children’s diseases

こどもの病気|石和こどもクリニック|大分市羽屋の小児科

こどもの病気

Children’s diseases

 

突発性発疹症

説明

突発性発疹症は、2歳までにほとんどのこどもがかかるとされている頻度の高い感染症です。発症すると38℃以上の高熱が現れますが3〜4日で自然解熱し、解熱後に全身に発疹が出現することが特徴です。発疹は2~10㎜程度の小さなプツプツとした紅斑で、3~4日ほどで跡を残さず消失します。かゆみや痛みなどは伴いません。一般的に後遺症を残すことなく1週間程度で自然治癒する病気ですが、熱が上昇する際に熱性けいれんを発症することもあります。

治療

解熱薬などの対症療法を行います。発疹に対しては特に軟膏等は必要なく、自然に消退します。

ヘルパンギーナ

説明

夏かぜのウイルスが原因となる病気です。水疱ができて発熱を認める点など手足口病と似ていますが、手や足には発疹は出ず、口(咽頭)だけに症状が現れます。乳幼児の間で流行し、38〜40℃の高熱が2~3日続きます。のどの奥に小さな水ぶくれができ、強い痛みから食べることが困難になることがあります。熱は2~3日で自然に下がり、水疱も1週間くらいで治ります。

治療

喉の痛みを抑えるお薬や解熱薬などで対症療法を行います。

RSウイルス感染症

説明

RSウイルス感染症とは鼻汁、咳嗽、喘鳴、発熱などを主な症状とする呼吸器感染症です。発症5~6日目に鼻汁や咳嗽症状の悪化を認めやすく、特に低月齢の乳幼児は呼吸状態の悪化に注意が必要です。また、早産児や基礎疾患のあるお子さま(先天性心疾患、神経・筋疾患や免疫不全など)は重症化するリスクが高まります。

治療

RSウイルスに対する特効薬はなく、症状に応じた対症療法(鼻汁・咳嗽症状を緩和するようなお薬の内服など)が主体となります。鼻汁吸引や気管支拡張薬の吸入などを外来で行うこともあります。

インフルエンザ

説明

インフルエンザウイルスを病原体とする呼吸器感染症で、冬に流行します。かぜよりも症状が強く、飛沫感染でうつります。予防接種で発症率や重症化を抑えることができるとされています。

治療

タミフル(1日2回、5日間内服)、リレンザ(1日2回、5日間吸入)、イナビル(1回吸入)、ゾフルーザ(1回内服)などの抗ウイルス薬を使用します。

出席停止期間

発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで

溶連菌感染症

説明

A群溶血性レンサ球菌の感染により発症します。発熱、咽頭痛を訴えることが多く、吐き気を伴う場合もあります。いちご舌や扁桃腺の腫大、軟口蓋の点状の出血に加え、体を中心にかゆみを伴ったびまん性の赤い発疹を認めることがあります。急性糸球体腎炎(血尿、全身のむくみ、乏尿、高血圧)やリウマチ熱などを合併する場合がありますので、抗菌薬の内服による治療が必要です。

治療

ペニシリン系抗菌薬(10日間)やセフェム系抗菌薬の投与を行います。

出席停止期間

抗菌薬による治療開始後 24 時間経過して全身状態が良ければ、登園・登校ができます。

咽頭結膜熱

説明

プール熱とも呼ばれ、アデノウイルス感染によって、咽頭炎や結膜炎をおこします。プール熱という名前がついていますが、適切な塩素量を保っているプールの水から感染することはほぼありません。接触感染や飛沫感染でうつり、感染力が強いのが特徴です。石鹸で手をこまめによく洗うようにしましょう。

治療

症状に応じた対症療法(解熱薬など)が主体となります。

出席停止期間

発熱などの主要症状が消退した後2日を経過するまで

手足口病

説明

いくつかのウイルスによって発症する病気です。夏に流行することが多い感染症で、その名の通り口の中や手足に水疱性の発疹ができ、発熱を伴う場合もあります。ほとんどの場合、症状は軽くすみますが、のどの痛みから経口摂取不良をきたす場合があります。

治療

ほとんどは対症療法により数日で回復しますが、髄膜炎や脳炎といった中枢神経系の病気を合併することが稀にあります。症状が改善しても1か月程度便の中にウイルスが排泄されますので、おむつを片付けた後には必ず手洗いをしましょう。

百日咳

説明

百日咳菌の感染で起こる急性の呼吸器感染症で、特有の咳発作を認めます。お母さんから免疫が移行しないため乳児期に感染することがあり、無呼吸発作で呼吸を止める可能性があります。このため、百日咳に対するワクチンを含む五種混合ワクチンを生後2か月から接種することが大切です。小学校に通う頃にワクチンの抗体価が低下し感染する児童が増えたことから、任意接種となりますが、就学前に三種混合ワクチンの追加接種が推奨されています。

治療

マクロライド系抗菌薬(クラリス、ジスロマックなど)で治療を行います。

出席停止期間

特有な咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌薬療法が終了するまで

伝染性紅斑

説明

両頬がリンゴのように赤くなるため「リンゴ病」と呼ばれています。両頬が赤くなる前にかぜのような症状を認め、レース様の紅斑が四肢や体幹に出る場合があります。妊婦が感染した際には流産の可能性があり注意が必要です。

治療

特に治療する必要はなく、経過観察ですむことがほとんどです。

水痘(水ぼうそう)

説明

水痘・帯状疱疹ウイルスの初感染によって起こります。発熱や倦怠感があり、発疹ははじめ小さな丘疹で、水疱からかさぶたへと変化します。現れる場所は頭皮を含めた全身で、痒みを伴うことがあります。空気感染を起こし、感染力の強い病気です。治った後もウイルスは体内に残り、長い期間を経て帯状疱疹として発症することがあります。

治療

抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル)を内服します。その他、発疹に対して塗り薬や痒みを和らげる内服薬などを併用します。

出席停止期間

すべての発疹がかさぶたになるまで

流行性耳下腺炎

説明

「おたふくかぜ」とも呼ばれ、ムンプスウイルスの感染によって起こります。片側か両側の耳下腺や顎下腺が腫れるのが特徴で1~2 週間で回復しますが、髄膜炎や脳炎、睾丸炎、卵巣炎、難聴、膵炎などを合併する可能性があります。

治療

痛みや発熱、頭痛に対して解熱鎮痛薬を適宜内服します。

出席停止期間

耳下腺や顎下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで

伝染性膿痂疹

説明

俗に「とびひ」と呼ばれる病気で、ブドウ球菌や溶連菌が原因となる皮膚の感染症です。火事のときに出る飛び火のように、患部が勢いよく広がっていく様子から「とびひ」と呼ばれます。肌の露出が多く、汗をかきやすい夏に流行しやすいことも特徴で、あせもや虫刺され、湿疹などを掻いたりすると菌が入り込み広がっていくので注意が必要です。

治療

まずは患部に抗菌薬入りの軟膏を塗布します。痒みが強い場合には、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を併用する場合もあります。また、症状の重症度に応じて抗菌薬の内服を併用します。

感染性胃腸炎

説明

感染性胃腸炎のほとんどはウイルス(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)が原因で、一部に細菌(カンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌など)が関与します。ウイルスが付着した料理を食べたり、手指についたウイルスが口に触れたりすることで感染し、幼稚園や小学校などで集団発生することも少なくありません。症状は嘔吐、下痢、腹痛が特徴的ですが、3つすべての症状があるとは限らず、発熱はあることもないこともあります。嘔吐症状は最初の1~2日がピークで以後は改善することが多いです。その間、脱水や低血糖にならないようにすることが大切です。下痢は長いと1~2週間続くことがあります。細菌性胃腸炎ではこれらに加えて血便を伴うことがあります。

治療

ウイルス性胃腸炎であれば、嘔吐に対しては制吐剤、下痢に対しては整腸剤、発熱に対して解熱薬などの対症療法を行うこととなります。細菌性腸炎であればこれら対症療法に加え、抗菌薬が併用されることがあります。脱水予防目的にも、水分は少量ずつ頻回に与えるようにしましょう。ただし、嘔吐した直後は、すぐには水分を与えないようにしましょう。まだ吐き気があるときに水分を摂ると、摂取した水分が刺激となって再び嘔吐を繰り返してしまい、脱水症となるリスクが高くなります。数時間経過した後に吐き気がおさまってきたら、少量の水分(OS-1やアクアライトなどの経口補水液や、イオン飲料など)を5~10分おきに飲ませてください。

川崎病

説明

川崎病は、1967年に川崎富作先生(日本赤十字社医療センター本社:初代小児科部長)が「小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群」として世界で初めて報告した自己免疫疾患です。原因は不明ですが、全身の血管に炎症が起きることで様々な全身症状を呈します。​日本人を含めたアジア系の人種に多く発症し、主に4歳以下のこどもに起こる病気です。川崎病には特徴的な6つの症状があり、このうち5つ以上、もしくは4つの症状に加え冠動脈(心臓を栄養する血管)に異常が認められた場合に、川崎病と診断します。6つの症状とは、①5日以上続く発熱 ②発疹 ③眼球結膜充血 ④口唇発赤/いちご舌 ⑤頸部のリンパ節腫脹 ⑥四肢末端の硬性浮腫/紅斑を指します。これらの6つの症状のほかに、BCG接種部位が赤く腫れるといった症状も特徴的です。

治療

川崎病の治療の最大の目的は、冠動脈瘤(心臓を栄養する冠動脈にコブができる)の合併を抑制することです。冠動脈瘤に血栓閉塞(血の塊が血管内に詰まること)が起きることで、致死的な心筋梗塞を発症することがあります。そのため入院の上、急性期には炎症を抑える治療(主にアスピリン内服+大量免疫グロブリン療法±ステロイド/シクロスポリン/インフリキシマブ/血漿交換療法)が必要になります。退院後は、血栓ができるのを予防する目的に抗血小板薬(アスピリン)を一定期間(おおよそ2か月間)服用することが必要です。また、遠隔期に冠動脈病変の合併がないか定期的に心臓超音波検査によるフォローアップが必要となります。

追記

川崎富作先生は、自身が東京の日本赤十字社医療センター本社に勤務していた際にお世話になった、小児科医なら誰しもが知る先生です。当時現役を引退されておりましたが、日本赤十字社本社に全国から集まった私たち小児科医と会う機会をたびたび作ってくださりました。「医療は暖かく、医学は厳しく」をモットーとされており、その意思は脈々と受け継がれ、日々の診療の根幹となっているように思います。当院の診療方針もここから派生しております。

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